螺旋(らせん)の妙技

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鍼灸で螺旋を考えることは少ないのではないでしょうか。そもそも、鍼灸では経絡を通して、人体のシステムが正常かどうかを観察するからです。

経脈とは縦。縦だけでは人体のすべてを網羅できないために、縦と縦を連絡する絡脈が存在します。これによって、エネルギーは縦横無尽に人体を駆けめぐることができるわけです。

鍼灸では、流派は違えどこの循環システムを修復・改善させることが目的となります。これは、網目状のシステムの改善に言い換えることができると思います。

活法では、運動時の“ねじれ”を重視します。人体は、ねじれることによってエネルギーが溜まります。歩行時も、コーヒーカップを手にする時も、関節や筋肉にはねじれが発生し、エネルギーの貯蓄と発散が繰り返されています。

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人間が滑らかに動けるのは、ねじれるからです。解剖学からは見えにくい、巧妙な運動系がそこには存在しています。この運動系にトラブルが発生すると、技巧性に欠けた動作となり肉体への負荷が増大します。

活法のテクニックの中には、螺旋を利用したものが数多く存在します。奥深い経絡の世界ですが、螺旋の活用という点ではいかがでしょうか。筆者の知る限りでは、螺旋を意識した鍼灸術はほとんどありません。活法の螺旋と出会った鍼灸師は、経絡では見えなかった人体に気づくはずです。そして、螺旋の妙技に驚くことでしょう。

縦横のネットワークに加え、螺旋を活用した施術を行ったらどうなるでしょうか。その可能性を想像してみてください。眠れなくなるのは筆者だけでしょうか。

(副代表 栗原誠)